「議員定数削減の署名運動」に、ちょっと待った!【事実と価値判断】
2010.09.24 Friday
JUGEMテーマ:地方議会
皆さんは、
「議員なんて、
どうせ4年に1回の選挙の時だけ頑張って、
普段は仕事なんてしてないのでしょ。」
「中には普段も一生懸命活動している議員もいるかも知れないけれど、
大半の議員が議員どうしの権力闘争や足の引っ張り合いばかりに注力していて、
私たち市民のことなんか考えていないでしょ。」
「だから、議員の数は多すぎる。
財政難の時代なのだから定数を削減すべきだ。」
というイメージをお持ちではないですか?
まさに、平成11年当初。
僕が市議会議員に初めて立候補した時に、
僕自身が議会に対して持っていたイメージでした。
僕の市議会議員選挙初挑戦時の公約は、
「お役所のムダ遣いチェック」と、
「議員定数の削減」でした。
その後、
平成18年12月の議会で、
定数を32名から28名に削減することが、
過半数(たしか2〜3票差※後日確認)で可決され、
平成19年4月の統一地方選挙から、
流山市議会の議員定数は28名となりました。
人は、
事実と価値判断(主観によるイメージ)を、
混同していることがよくあります。
例えば、
【事実1】
▼昨日の正午に提出〆切であったレポートを
期日通りに提出しなかった鈴木くん。
【価値判断(主観によるイメージ)】
それを知った田中くんは言った。
「鈴木くんは、〆切にルースだ。」
ではここに、
もう少し事実を投入したら、
皆さんの鈴木くんに対するイメージは、
どうなるでしょうか?
【事実2】
▼鈴木くんがレポートを
期日通りに提出しなかったのは、今回が初めて。
▼昨日の早朝まで3日間、熱を出して寝込んでいた。
▼今朝、鈴木くんからレポートについて、
〆切の正午までに提出できないことのお詫びと、
15時まで〆切を延期してもらえないかという依頼が、
メールされていた。
物事を的確に捉えるには、
より多くの事実を収集し、
事実に焦点を当てて、
価値判断(主観によるイメージ)と、
分けて見ることが重要です。
人は限られた情報だけを提供されると、
一面的に物事を捉えてしまう傾向がある。
このことについては、
先の流山市議会におけるスマートフォンによる電子採決
の各種メディア報道をみた方々の反響にも現れています。
詳しくはコチラ。
また、新聞やテレビで見た情報、
人から聞いた情報は2次3次情報。
自分の五感で捉えたものは1次情報。
この1次情報を掴むと、
人のイメージは変わるということを証明する事象があります。
僕が理事を務めるNPO法人ドットジェイピーでは、
1年間で約1600名の現役大学生を、
インターンシップ生として、
現職の議員(国会議員と地方議員)に送り出しています。
創業以来12年間、
このインターン生たちに、
インターンをする前と、
いんたーんをした後に、
アンケートで同じ質問をしています。
◆政治に対するイメージ
【インターンシップ前】
良いorどちらかといえば良い 13.6%
悪いorどちらかといえば悪い 86.4%
【インターンシップ後】
良いorどちらかといえば良い 86.7%
悪いorどちらかといえば悪い 13.3%
※上記のアンケートデータは、
本年3月時点のものですが、
毎回数値は、ほぼ変わりません。
自ら選択をして、
議員インターンシップに参加を希望する大学生でさえ、
インターンシップ(1次情報に触れる)前の政治に対するイメージは、
悪いorどちらかといえば悪いと答える学生が86.4%なのです。
その後、
2ヶ月間、議員の元でインターンを経験した、
つまり1次情報に触れた学生たちの政治に対するイメージは、
まるっきし逆転するわけです。
事実と価値判断(主観によるイメージ)を分けること。
事実を、なるべく多く収集すること。
そして、それはできれば、
新聞やテレビで見た情報、
人から聞いた情報(2次3次情報)ではなく、
自分の五感で捉えた1次情報であること。
これがまさにリテラシーの極意でないかと、
私は思っています。
【流山市議会の事実(抜粋)】
▼流山市議会の改革の軌跡
▼平成18年12月議会で近隣市に先駆けて、
既に4議席(32⇒28)削減している。
▼平成21年3月議会で議会基本条例を、
議員立法し、全会一致で可決。
▼日本経済新聞「全国市議会 議会改革度ランキング」
流山市議会 全国9位/806市
浦安市議会 全国502位/806市
ここで繰り返し書き添えておきます。
市議会の議員定数(議席)についての僕自身の見解は、
定数の増減は議会制民主主義を実現する手段にすぎないので、
多くても少なくても現行のままでもよいと思っている。
何議席が適正なのかを
市民の皆さんと話しあって決めればよい。
ただし、答えはひとつではない。
なぜなら、
それは目的ではなく手段であるからだ。
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- by 松野 豊
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