「議会改革ブレークスルー10のセオリー」〜改訂版〜

2012.08.02 Thursday

 
JUGEMテーマ:地方議会

平成12(2012)年8月2日(木)

先週に会派「流政会」で、
新エネルギー(太陽光発電をはじめとした
自然エネルギー)というテーマで、
視察に訪れた長野県飯田市に、
2週連続で訪れています。

今回は、
議会改革のトップランナーである
会津若松市議会と、
飯田市議会の意見交流会に、
オブザーブ参加をしています。

流山市議会は、
本年、日本経済新聞社が調査した
議会改革度ランキングで
810市区議会中、
全国1位と評価されましたが、
会津若松や飯田の市議会は、
議会による事務事業評価の仕組みづくりや
議会による政策形成サイクルの実践など、
実質的な議会改革の王道を
いっている感じを受けています。

まだまだ、
負けてはおられんぞ!
という思いで、
昨夏に執筆した
「議会改革ブレークスルー10のセオリー」を
リライトしました。

◆そもそも、
 何故、いま地方議会改革なのか?

“日本を今一度せんたくいたし申候“
日本を今一度せんたくいたし申候事ニ
いたすべくとの神願にて候。
実に天下に人ぶつ(人物)のなき事、
これを以てしるべく、なげくべし。
坂本龍馬から姉・岡上乙女宛書状
文久3年(1863)6月29日付
京都国立博物館蔵

現代の国会は、
まるで江戸末期の幕府状態のようだ。

国会中継を見ていても、
政敵と政策論戦をするならまだしも、
議員同士が誹謗中傷合戦ばかりやっている。

この国のカタチを根底から、
ひっくり返すくらいの改革をしないと、
この国は間違いなくダメになる。

では、
現代における坂本龍馬や高杉晋作や、
西郷隆盛のような志ある武士たちは、
何処にいるのか?

現代の志士は、
「地方議員」の中に潜んでいるのではないか?
と僕は感じている。

地方議員は全国に3万6909名
(平成21年末時点)
明治維新の志士は、およそ5000名。

地方議員の約1.5割が気概をもって
奮起をすれば現代における維新も、
必ず実現できると僕は信じている。

◆議会改革は自分改革!
議会改革というと、議員も市民も職員も
「自分は、
 こんなに良い提案をしたのに、
 議会がOKしてくれなかった。」
「うちの議会(議員)はダメだ。」
的な発言をする人がいるが、
逆に言えば、
「自分の提案が、
 議会(議員)を説得する域にまで
 達しなかった。」
ということだ。
“修身斎家治国平天下”
つまり、議会改革≒自分改革なのだ。

◆議会改革の先にあるもの
「市民に開かれた議会」を目指して、
情報公開度や市民参加度の向上を、
議会が機関として推進していくと、
コンシューマー(シチズン)インサイトが
強化され、その結果、
議会の最重要ミッションである
「民意の反映」のクオリティが向上する。

市民目線でいえば、
「議会改革が進むと、
 あなた方(市民)の意見が
 市政に反映されやすくなり、
 あなた方にとって、
 より住みやすい街になりますよ。」
ということである。

ではどうすればよいのか?
「地方議会改革を推進したいけれど、
 なかなかうまく前に進まず困っている」
という現職の地方議員の方々向けに、
改めて、
「議会改革ブレークスルー10のセオリー」
を更新しました。

全国に散らばる
改革派地方議員のトップランナーたちが、
『議会改革によって
 地域から日本を変えるのだ!』
という揺るぎない意志を持ち、
更にはこの火種が全国に波及し、
地方から日本をより良く変えていく。
このブログが、
そういうキッカケになったら、
とっても嬉しい限りです。

◆議会改革ブレークスルー
 10のセオリー

【Theory1】
議会改革は
議員同士のコミュニケーション改革。

主義主張や方法論が違っていても、
「自分たちの故郷をより良くしていこう!」
という思いで選挙を戦って、
有権者から選ばれた人たちなのだから、
ひとつになれる。
という信頼ポイントを置いて、
まずは、
会派党派を超えた一人の人間同士。
という関係を創り上げる。
また、五感を開いて、相手をよく観察し、
相手議員の本音と建て前を、
しっかりと見極める。

“子曰、視其所以、觀其所由、察其所安、
人焉捜哉、人焉捜哉”
論語 為政第二
[読み下し]
子曰(しのたま)わく、
其(そ)の以(な)す所(ところ)を視(み)、
其の由(よ)る所を観(み)、
其の安(あん)んずる所を察(み)れば、
人(ひと)焉(いずく)んぞ廋(かく)さんや。
人焉んぞ廋さんや。
[通釈]
 孔子云う、
「一にその人の行為を
  よく注意して視(み)る。
 二にその行為の拠って来たる
  原因・動機を観(み)る。
 三にその人がどんな所に安らぎを
  求めているかを(み)察る。
 この様にすれば、
 その人の正体は
 すっかり分かってしまうものだ。
 どうして隠せようか」。

【Theory2】
地方議会に関わる法律
(主に日本国憲法や地方自治法)や、
仕組み(議会制民主主義、二元代表制など)
を正確に理解して自分自身の腹に落とす。

自分自身が勉強して得た知識を、
他の議員にひけらかすような態度は、
おくびにもみせてはならない。
議員同士で議会改革の議論や
自由討議をする際には、
あくまでも淡々と論理的に議論をする。

【Theory3】
議員全員対象の研修会を企画して、
大学教授などの学識経験者から、
語ってもらう。

法律を紐解いて、地方議会の存在意義や、
民主主義とは主権在民であり、
市民に開かれていない議会などあり得ない。
しかし、
このことを議員が議員に対して解いても
うまくいかない。
また、議会改革を推進するためには、
二元代表制
(執行機関と議事機関=対等・協力)
ということが、
議員ひとりひとりの腹に落ちている
状態でなければならない。

講師選定の基準は、学識だけでなく、
地方議会の実態も御存知かどうか?
「あの先生は有名だから」とか
安易な基準で講師選定をするのでは
うまくいかない。
講師の先生には、
自分が所属する議会の問題点や
課題について、
予めレクチャーしておいて、
講演後のゴールイメージを
講師の先生と共有しておく。

【Theory4】
議会改革先進地に議員個人や会派単位だけで
行くのではなく、
議会運営委員会や議会改革特別委員会等、
議会の委員会として行く。

視察後、
「良かったね」とレポートを提出したり、
ブログや会報誌で報告をして
終わったりするのではなく、
委員会で振り返りの会議を開催する。
「うちの議会で実現するには」
という観点で、
議員同士で前向きに議論をし、
アクションプランにまで
落とし込まなければ、
いつまで経っても改革は前に進まない。 

【Theory5】
議員(個人)の活動と、
選挙のための活動、
会派の活動、
議会としての活動の棲み分けを明確にする。

個人プレーで目立てば選挙には強くなるが、
議会改革を牽引する存在には成り得ない。

【Theory6】
自分の手柄にしない。
議会は合議制の議事機関。
過半数の同意を得ることができなければ、
様々な施策を実行に移すことは不可能。
たとえ自分が発案者であったとしても、
これを「自分が実現しました」とか言って、
メディアに自分が登場するのではなく、
先輩議員やキーマンとなる議員に、
手柄を譲る謙虚さとしたたかさが必要。
委員長ポストについているなどの関係で、
自分が前に登場せざるを得ない場合でも、
協力や賛同してくれた委員さんたちを、
公の場で心から労う配慮が不可欠。

【Theory7】
議員同士の議論の様子を公開中継する。
例えば、USTREAMであれば、
初期投資は、ほぼかからない。
流山市議会の場合は、14500円

守旧派で議会改革に反対する議員に限って、
意外と有権者の目を気にする傾向がある。
議論の様子をライブ中継することで、
カメラの先にいる有権者を気にして、
非建設的な発言をしなくなる。

【Theory8】
議会内で合意形成できたものは、
決議等で議決をして機関決定する。

議決して機関決定をすることで、
決めたことに重みが増していく。
俗にいう申し送り事項では、
改選後に本当に申し送られるだけで、
終わってしまいアクションにつながらない。

【Theory9】
議会事務局を味方につける。
議会事務局のサポート
(特に法制面)がなければ、
議会改革の推進はない。
議会事務局のスタンスは、
実現できない理由を並べるのではなく、
どうすれば、
「障碍を乗り越えて実現できるのか」
までを議員に提案することであること
を理解し納得してもらう。

【Theory10】
議会基本条例を制定する。
流山市議会の場合は、
「議会基本条例を制定するのだ!」と、
当時の議員全員で決めたことによって、
Theory1〜10まで
全てのことが実現可能となった。
「議会とは何か」
「議員とは何か」
「改革の先にあるものは何か」
などなど、
時には職員や学識者にも
サポートしてもらいながら、
まずは議員同士で
トコトン議論を重ねることで、
「市民に開かれた議会」
を目指す風土が醸成されていく。
 
ここまで来たら、
次のフェーズ(段階)は、
市民を巻き込んだ議会改革。
“プロダクトアウトからマーケットインへ”
“コンシューマー(シチズン)インサイトへ”
議会報告会を開催し、
議員個人としてではなく、
議会として街に出て市民の声をよく聴く。
議会のホームページやSNSを充実させて、
市民からの声を、
タイムリーに吸い上げていく。

さらに、市民の声を聴きっぱなしではなく、
フィードバックやアウトプットもして、
よい提案は市政に、
どんどん反映させていく。

その先に議会制民主主義の確立と、
顧客(市民)オリエンテッドな市政の実現が
見えてくるはずだ。

地方議会は、
市民が「見たくなる議会」へと
変貌を遂げていかなければならない。

【終わりに】
議会改革に関する視察及び講演・取材等
のお問い合わせは、
流山市議会事務局 04-7150-6099(直通)
gikai@city.nagareyama.chiba.jp

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